2020年01月08日

サバイバーズ(1孤独の犬〜6アルファの乱)あれから母も読了/ラッセ・ハルストレム監督の「僕のワンダフル・ライフ」も重なって大満足

子に「一緒に読んでほしい。やりきれなさを共有したい」と言われれ続けて3カ月。正月休みの2日間、まるまる浸って(!嬉)読んだ。面白かった。こんなふうに頭から突っ込むように読書に浸ったのは大学生の頃以来だ。大満足である。さて、やりきれなさの正体もよくわかった。が、ブラック・ファンタジーではなかったのでほっとした。個人で生きることと組織として生きることを深く洞察させる良書だった。

以下、ネタバレします。









犬には3種類いる、ということがよくわかった。飼い犬、働く犬、そして野犬だ。この本では、飼い犬は文字通りの愛玩犬、働く犬としては闘犬として育成された犬種、そして野犬は2種類(街をうろつく野良犬と山で暮らす本物の野犬)が登場する。ラッセ・ハルストレム監督の「僕のワンダフル・ライフ(A Dog's Purpose)」は1匹の犬が生まれ変わりながらいろいろな立場や境遇の犬ライフを経験するのだけれど、この本にはいろんな境遇の犬がたくさん登場する。あまりにもたくさん登場するので覚えていられるかどうか不安だったのだけれどまったく心配なかった。それぞれがものすごく特徴があってキャラ立ち華々しかった。

しかも、犬独特の社会構造を主人公と一緒に体験することができて興味深い。犬の社会は人間の社会にも似ている気がしてきた。参考になることが盛りだくさんなのかもしれないと気がついた。

巻末の役者によるあとがきによると、作者は最初は2人だったのが最後のほうで7人になったとのことだ。同じ作者によるもっと長いシリーズ「ウォリアーズ」は猫ものだ。猫が主人公ではどうやって話をこんなに長く続けられるものなんだろうかと眉唾だったのだが、「サバイバーズ」の犬の表現は犬好きも納得の内容らしいのでそれならば「ウォリアーズ」は猫好きも納得の内容なのかもしれない。それでも、単独行動が基本の猫に集団行動はあり得ないと思うのだが斎藤洋氏の「ルドルフとイッパイアッテナ」でも一応猫の集団は表現されていたのだ。在り得ないよねと思いつつも本も映画も楽しんだのだから、猫の「ウォリアーズ」も楽しめるとは思うのだが。

「ウォリアーズ」だが映画化も云々とい言われているくらい面白いらしい。だが前記事にも書いたが現在までにすでに1期が巻6ずつの6期まで出ているということだ。つまり計36巻だ。日本の児童書も36巻となるとちょっとした量だが、欧米の児童書は「ハリーポッター」を出すまでもなく半端ない。犬の「サバイーバズ」の6巻でも最後の6巻目は冗長かもと思ったくらいだったので、猫の「ウォリアーズ」はゲームにハマるのと同じような時間の浪費になる可能性がある。子に話してみたところ子も同じことを考えて手を出していないそうだ。

さて、予定調和の終わり方をした犬の「サバイバーズ」だけれど、ほんのわずかな伏線もどんどん回収してくれて読み応えたっぷりだった。が、人間とのかかわりが少々物足りなかった。人間が街にしっかりと復活して山の管理も進んだとしたら、あるいは山での生活が苦しくなって里に頼らざるを得ない状況が生じたときなどに、山に住む野犬を欧米人たちはどうするだろうか。そのとき、主人公たちはどのように感じ、判断して行動するのだろうか。人間との接触が密になると、人間大好きな犬(ミッキーやサンシャイン)の性格や伏線も生きてくるんだろうにと想像(たくましく)した。




サバイバーズ
エリン・ハンター
翻訳 井上里
イラスト 平沢下戸
小峰書店

1、孤独の犬 2014/9/24
2、見えざる敵 2014/9/24
3、ひとすじの光 2015/6/24
4、嵐の予感 2016/5/23
5、果てなき旅 2017/6/9
6、アルファの乱 2018/7/21


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過去記事「サバイバーズ(1孤独の犬〜6アルファの乱)読了/とても切ない物語のようだ、しきりと一緒に読んでほしいという」 → こちら




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2019年12月05日

サバイバーズ(1孤独の犬〜6アルファの乱)読了/とても切ない物語のようだ、しきりと一緒に読んでほしいという

「はやく一緒に読んでほしい。やりきれなさを共有したい!」と子に言われ続けたけれどなかなか読む時間の取れない今日この頃。子は夏休みに読み始め、親を待ち続けていたのか(ごめんm(__)m)ゆっくりと読み進め、先日とうとう読み終えてしまった。6巻中最後の2巻ほどは次が気になるのか、休みの日に一人で図書館に出かけて借りてきてその日のうちに読み終えてしまった。面白かったらしい。

ガフールなどのフクロウや、ファオランなどでもわかるように、犬猫ファンタジーは子は大好きだ。この本も、いろんな立場の犬たちがこの世の終わりのような大地震の後をどのように生き残るかを描いているんだよ!と本の表紙をいとおしそうに撫でながら教えてくれた。「やりきれない」という感想から推測するに、ファンタジーではあるけれどガフールやファオラン同様にダーク・ファンタジー的なんだろうな。それならば世界中を熱狂させた「ハリー・ポッター」も似たようなものだと思うのだけれど、好きではないらしい。「怖いから」だそうだ(笑)。


作者のエリン・ハンターというのは、4人の女流児童文学作家の集団名のようだ。3人がイギリス在住で1人がアメリカだ。

猫を主人公としたシリーズ「ウォーリアーズシリーズT,U,V ,W〜(原著ではX,Y〜続く) 」という膨大な量の本を出しているようだ。各シリーズ6巻構成なので、日本語訳の出ているシリーズ4まででも24巻。原著は少なくともシリーズ6まで出ているようなので既刊だけでも36巻か。面白いようだけれどこんなのにハマってしまうとほかの本を読む時間がなくなってしまうね。


サバイバーズ
エリン・ハンター
翻訳 井上里
イラスト 平沢下戸
小峰書店

1、孤独の犬 2014/9/24
2、見えざる敵 2014/9/24
3、ひとすじの光 2015/6/24
4、嵐の予感 2016/5/23
5、果てなき旅 2017/6/9
6、アルファの乱 2018/7/21


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2018年07月09日

獣の奏者 外伝 刹那/大人向きの文章をこともなげにあっさりと読み進める小6男子。本編をたっぷりと堪能した後とはいえ、びっくりした


獣の奏者 外伝 刹那
上橋菜穂子
2010年9月3日 第1刷
講談社

1、刹那
2、秘め事
3、初めての、、、

「刹那」は
エリンとイアルの出会いから出産までのお話し。エリンの出産に立ち会うイアルの回顧として一人称で語られる。味もそっけもないイアルが感情をほぼ交えずに淡々と語るのだ。どんなに牧歌的な内容でも、牧歌的だからこそ?イアルが語ると読み手は気合が入ってしまう(笑)(笑)(笑)。イアルの生い立ちも人生も実に単純だけれど、精神的な体験としてはとてつもなく重いものがある。同じように、お金で子を売ったイアルのお母さんの人生後半とそれに巻き込まれたイアルの妹の人生も。素敵に哀しいこの3人の間を、エリンが取り持って美しい。

「秘め事」は
エサルの一人称で語られるエサルの若いころの恋愛物語。ジョウンの距離の取り方がすてきだ。わかっていても知っていても一切何も一言も言わず、普通に自然にそばにいて淡々と友情を積み重ねていく。本編ではまったく語られないエサルの客観的情報も興味深い。エサルのお父さんの采配が粋でで素晴らしい。お父さんの自分の妻(エサルのお母さん)への態度について一言だけ触れている。本当にもろにたったの一言なんだけれど、この時代のこの身分の結婚感が鋭く表現されていて見事だった。この分厚い本の中で一番ページ数が多い物語。このお話と本編のエサルを重ねると、エサルのほぼ全人生を俯瞰できる。

「初めての、、、」は
エリンの一人称で語られるジェシの離乳のお話し。小話。とてもかわいらしい。平和な(?)ひとときの一コマ。平和だと思うのはエリンの人生があまりにも壮絶だからであって、普通の人にとって子供の離乳は平和な話ではない。もちろん壮絶な人生の主であるエリンにとっても、我が子の離乳は特別な体験だったみたいで、そこをそっと宝物のように切り取ってあるこの1話は、宝物のようにキラキラと輝いていてきれいだ。

あとがきに「人生の半ばを過ぎた人へ」とあるのだけれど、なるほどそのくらいの年齢の人のほうがすんなりと理解できる内容だ。けれど、それを言ってしまうと青少年に推薦されるどの名作も同じである。トルストイ、ドフトエフスキー、カフカだって。夏目漱石、森鴎外、川端康成、谷崎純一郎に至ってはもろに。ゾラの「居酒屋」なんて大人になってもまったく理解できない人も多いんじゃないかと思ってしまうのだけれど。

子はまだ小6だけれど、中学生以上のための装丁であるこの分厚い単行本を何の躊躇もなく当たり前のように手に取って、さっさと読み始めた。「刹那」を一気に読み上げて「秘め事」に入ったときに「あれ?知らない人が出てきた」とつぶやいたっきり、また没頭していった。

よく考えたら「若おかみは小学生!」だって、恋愛だらけだ。もっとよく考えてみたら、子のクラスには何組かすでにカップルがいるらしい。小学生がカップル作って付き合って、何をするの?と聞いてみたのだけれど、そこはよくわからないのだそうだ。

ちなみに、読み始めてしまうと活字や装丁などによる読みにくさは気にならなくなる。けれど、青い鳥文庫に慣れた目には、やっぱり読みにくい。振り仮名や、小難しい言葉への気の利いた注釈というよりも、活字の選び方や並び方と関係があるような気がする。となると、青い鳥文庫のすばらしさに気が付くのだ。今の世のデフォであるもう少し小さい文庫本よりもはるかに読みやすいのだ。だから、どこがどう違うのかと不思議になってくる。何より単行本については、本が重くて支えて読んでいると手がいたくなる。と思っていたら、子も同じことを言っていた。見た目や美しさ、豪華さや重厚さにおいて単行本に勝るものはないのだけれど。

地域の図書館で借りたの厚さ数センチにも及ぶ分厚い単行本だったけれど、アマゾンで扱っているのは文庫本(2013/10/16)のようだ。文庫本で厚さ2.4センチとのことなので、やっぱり厚い。カスタマーレビュー61件ですって。すごい数だ。「文庫版には、エリンの母、ソヨンの素顔が垣間見える書き下ろし短編「綿毛」を収録。」ですって。ありゃぁ、読まなきゃ。




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2018年07月04日

獣の奏者8 完結編 下/読み終わってしまった、嗅覚と触覚と味覚優位の懐古的な感覚の世界観が新鮮で凄みたっぷりだった


講談社 青い鳥文庫 273-8
獣の奏者(けもののそうじゃ)8 完結編 下
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2011年10月8日 第1刷発行
講談社

予定調和的な終わり方だったのであまり印象は深くないけれど、一人一人にとって「よかったなぁ」と素直に思える終わり方でよかった。子は「ジェシも先生になったんだねぇ」としみじみと言っていた。うん、そこ、私も思った。

ジェシのお父さん(イアル)が長生きしたからよかったぁと思うけれど、たまたまでいいのでリランがエリンを助ける形になって3人で静かに暮らしました、というのでも全然あり、な気がした。あまりにありきたりなので、避けたのかな、と思わなくもなかった。エリンが死ななくても大勢に影響なかったと思うし、むしろ人生の壮絶な前半をどのような形で収束させていくのかを描くのもありかと思わなくもなかった。

闘蛇と王獣が群れ同士で出会ったときに起きる壮絶な現象についての必然が語られていなかった。現象があまりにも劇的だったのもあって、ちょっと物足りなかった。

歴史と知識の共有が大切というテーマは意味深長だ。我田引水の香りたっぷりでよく考えると恐ろしくエゴイスティックな内容なのに、聖書が好まれる理由もそこにあるんだろうなぁと思ったり。

嗅覚と触覚と味覚優位の世界。そんな世界にそっと、そっと聴覚と視覚が添えられているような世界観。だから、どんなに俯瞰していても究極の一人称なんだろう。現代と逆転した感覚の研ぎ澄まされ方。原始的な感覚がよみがえってくるような不思議な体験が、魅力なのかもしれない。

物語としては闘蛇編と王獣編だけで終わったほうがドラマティックだったと思うけれど、完結編まであるほうが奥が深いと思った。外伝では何を語ってくれるんだろうか。静かに、楽しみになってきた。
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2018年06月28日

獣の奏者7完結編(上/束の間の平和の巻なのかな、エリンの心情主張は相変わらず理解できないしジェシが可哀想すぎるけれど


講談社 青い鳥文庫 273-7
獣の奏者(けもののそうじゃ)7 完結編 上
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2011年8月15日 第1刷発行
講談社

王獣の生態が少しずつ解明されていくのがおもしろい。王獣って架空の生き物なのにね。

ジェシの淋しさは、働く母親を持つ子供の普遍的な課題のような気がする。自営などやあるいはそれに近い、見通しや責任を伴うことをやっている場合は特に。家に帰って一緒にいても親は別のことを考えているという風なことが子供にはこたえる。家にずっといる親であっても、最近クローズアップされてきた毒親なども同じ現象だと最近思うようになった。毒親は子供を見ていないのだ。そういう意味では働いている普通の親のほうがよほど愛情深い。それはそうなのだけれど。

「エリンは王獣を放っておけないんだねぇ、ジェシと一緒にいてあげられるといいのに」と子に感想を何気につぶやいたところ、子はこういった。「仕方がないんだよ、子どもを自分の運命に巻き込みたくないんだよ。」

なんという深い読みだろう、と思った。なるほどなぁ。

でもねぇ、その人の子として生まれているというだけですでに、巻き込まれているのだ。ならば、成長に応じて説明をし、一緒に運命を乗り越えるパートナーとして育てるほうが良い気がする。そうしないと、どこかの時点でその子はグレそうな気がする。

だってね、蚊帳の外だもの。淋しいことこの上ないでしょう。

それに、自分の将来は自分で決めたいよね。そのために親に関する情報は大切だ。それをしてもらわなかったからエリンもいつまでもそのことにとらわれているのにね。同じことを自分の子供にするんだなぁ。

この物語の根底に流れているんじゃないかと思われるテーマは読み手の私を、どことなくイライラさせる。そのことをこの巻で、自覚した。「幸せ」という言葉が頻繁に使われていることに気が付いた。

「幸せ」という言葉は、絶対的に自覚的な言葉である。宣言といってもいい。自分が「幸せである」といえばそうなのである。なのに、主人公もセィミヤも、自分ではない他者の「幸せ」を、論じっぱなしなのだ。それって他人に決めてもらう筋合いのことではないのだ。だからものすごく余計なお世話だ。子供であるジェシを巻き込む巻き込まないの判断に関しても同様だ。きわめて日本的なよりかかり合いの上に成り立っているこの発想は、昔「甘えの構造」として論じられた日本人の心性に近いのかもしれない。

非常にうっとうしい。

そしてそのことに反発して成長するジェシは、自分で判断を下すためか、自力で情報を集め始めるわけだ。

とても健全な青年に育っているんだなぁ。ジェシの登場で、新しいジェネレーションの育っている様子が伝わってきて、楽しくなる。


もう一つの違和感はエリンのこだわりである。

エリンのやろうとしていることは、すでに原爆のある世界から、原爆のない平和を望もうとしていることに似ているような気もする。あるいはもう完全に飼いならされた飼い猫の繁殖のコントロールを、いまさら拒否することに似ているような気がする。

突き詰めると破たんしか、ない。ような気がするのだ。

それだから、物語に流れるもの悲しい通奏低音を醸造しているのだなぁ。

どこかで読んだ気がするのだけれど、「物語というのは現実が動かないところに生まれる」という言葉を思い出した。葛藤にこそ物語は存在するということなんだろうか。そうかもしれない。あるいは、想いと現実の乖離。なるほどなぁ。

次の巻で最後だ。あとは外伝を残すのみである。

外伝は青い鳥文庫からは出ていないみたいだ。それだからかもしれない、学校の図書館には置いていないんですって。なので、地域の公立図書館で探してもらって(書架(倉庫)にあった)厚い単行本を借りてきた。

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2018年06月21日

獣の奏者6探求編(下/ジェシが可哀想になる、エリンは何を考えているんだろう?と思ってしまった巻


講談社 青い鳥文庫 273-6
獣の奏者(けもののそうじゃ)6 探求編 下
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2011年6月15日 第1刷発行
講談社

「探求編 下」だ。5巻が「上」だったらしい。けど、さほどのつながりを感じない。別ステージと考えたほうが良いような気もした。エリンの息子ジェシの目線が多い。あとはエリン。

ジェシにとって父のイアルは指物師としての姿しかしらない。いきなり「堅き楯」としての動きをされてしまうと父とは思えない他人に見えてしまう。恐いだろうなぁ。

エリンは、母親のソヨンのように伝統を守るつもりはない。王獣を戦闘用として増やして使うつもりもない。けど、私にはエリンがなにをしようとしているのかがいまいちよくわからない。西郷隆盛を理解できない時と同じようなもやもや感が残るのだ。

キーマンは、シュナン(大公)の側近であるヨハル(先祖にエリンと同じルーツを持つ人がいる)の養子であるロランのような気がするのだが。さてはて、どうなるのかな。

「探求編 下」というわりには、最後は「つづく」という終わりかただ。「探求編 上」のほうがよほど「ここでいったん終わり」という感じがした。全体的になんだか中途半端な印象の巻だった。

はやく次を読みたい。

が、学校では図書館が読書週間(?二週間?)に入ったらしくて、いろんな種類の本を16冊借りる、という企画が始まったらしい。あと10日は同じシリーズを借りてくることはない。ああ、待ち遠しい。

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2018年06月18日

獣の奏者5/探求編の前編、いきなり11年後、とっくに結婚していて子供までいた!すっ飛ばさないでぇって思うけれどでも、、、


講談社 青い鳥文庫 273-5
獣の奏者(けもののそうじゃ)5
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2009年5月15日 第1刷発行
2009年6月4日 第2刷発行
講談社


いきなり時間が経っていて、エリンは結婚しているし子供もいる。そしていきなりの召喚。真王は王としてのよりどころを失っていて(心ある普通の神経していれば当然の反応だけれど)、そのために情勢は不安定。そこに、エリンのお母さんが死ぬことになった原因と同じ事件が発生する。

王獣と同じように闘蛇も、あの時の惨劇を教訓に。

ところが、そのあたりのあれこれが、微妙なことに?なっていくのか?

建国直前の出来事が、いろんな人の伝聞の寄せ集めのために、こんがらがってよくわからないところに、新事実が出てきて、さらにこんがらがっていく。

そして、これではみんな(ってだれ)がこだわって、そして主人公のお母さんが命に代えてもルール(?というの?)を守ったのは何のためだったんだろうかと。いろんなことを無に帰していくんじゃないかという不安が的中しそうな不安定なところで、次の巻に続く。

「闘蛇編」でも思ったし「王獣編」ではなおさら思ったのだけれど、人工的に庇護した動物のバースコントロールは必須だ。きっと問題はそこではなくて、闘蛇や王獣を操れることそのものが国防にかかわるというか、権力と結びつくというか。なのに、なぜバースコントロールのほうまで秘密にする必要があるのかとか、腑に落ちない点が多かった。技術を独占するためか。でも、増え過ぎるのであれば、野に放せよいだけなのではないだろうか。まだまだ、それが許容されるだけの自然がたっぷりありそうな舞台設定だし。

もっというと、エリンがなぜそれらの自然の姿にそこまでこだわるのかもよくわからない。古の人たちが秘密にしてしまったせいでこだわりが増してしまっているような気もするし。エリンのようなこだわり方をすると今の世の中では、犬や猫と一緒に暮らすなどということができなくなるから、なおさらだ。鳥や魚(観賞魚)だって、自然のまま無尽蔵に増えるだけ増やして大丈夫というものではないのだから、どこかで線引きが必要になる。それとも、そういうこととは問題が違うのだろうか。だとしたら私の誤解なのでほっとするのだが。

もともと無理の上に無理を重ねて成り立っている王国なんだろうなぁ。どんな形で落ち着くんだろうか。今回も大公の側近の黒鎧が「実は、、、」状態だったりと都合のよい設定が多いといえば多いけれど。次巻が楽しみだ。

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2018年06月14日

獣の奏者4/王獣編完結だ!すばらしい終わり方に大感動、設定のすばらしさを何度もかみしめてしまった


講談社 青い鳥文庫 273-4
獣の奏者(けもののそうじゃ)4
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2009年5月15日 第1刷発行
2009年6月4日 第2刷発行
講談社

青い鳥文庫では、1,2巻が闘蛇編、3,4が王獣編のようだ。そして、著者がいったんこれで終了にしたらしい。「完」にふさわしい終わり方だった。語りすぎず、壮観だった。

みごとだ。

4巻目はいよいよ陰謀うずまく王宮である。どんでん返しに次ぐどんでん返しというのか。ハラハラ、ドキドキする場面が多い。そして映像的にも壮観な眺めの中で、フィナーレである。

よかったなぁ(しみじみと何度でもいう)。


興味深かったのが、頭はよさそうなのに芯があるようなないようなうら若き真王と、国の創設者(?)である王祖だ。この二人、姿かたちは似ているのだと想像するが、中身は対極にある。

王祖はもともと、一度ほろんだ王族と手を組んだ祭司である。猛烈な反対を押し切って、ものすごい熱意でもって王獣の編隊を組む。そして豊かな国の闘蛇退治に熱意を燃やす。けっか繁栄していた国をまるまる滅ぼしてしまい、自国から追放されてもなお「王座」にしがみつく。死に物狂いで別の土地に逃げ延びて、そして王の座につくのだからすごい。この娘の「王座」に対する執着のほどが描かれている。あまりにもあっさりと描かれているので見逃しそうなのだが。「王座」への執着とはまた穏便ではない。

こんなふうに、なんだかものすごいいわく付きの王が鎮座しますのがこの王国なのだ。だからなのか、王の権力の根拠というのか、そのようなものが希薄なのだ。だから揺らぐ。ゆらゆら、ゆらゆらと。

でもって、韓国時代劇にあるあるパターンの身内による暗殺。恐いですねぇ。

日本だって韓国時代劇ほど露骨に描かれないけれど、ポプラ社の「コミック版日本史」を読んでいたら、主人公はかならずといっていいほど一くらいは身内に暗殺されそうになっている。

この物語の主人公は、権力とは対極にある人として描かれている。

彼女に権力志向があったならば、それこそあっという間に天地がひっくり返ることに、心底正確に気が付いているのがダミヤ一人なのだから、すばらしい設定だ。

人はそれぞれ、やりたいことがあるのだなぁ。人はそれぞれに価値観、生き方を持っているものなのだな。

そんなことを心底しみじみと考え込んでしまう。

そんなお話だった。


青い鳥文庫ではこのあと4巻ほど続いている(らしい)。学校の図書館には全部で8冊並んでいるということなので、そうなのだろう。としたら、「番外編」は学校にはないのかな。人気抜群の(はずの)「若おかみは小学生!」の番外編も1冊しかないわけだし。なんであの学校はこんなに中途半端なんだろう?「若おかみは小学生!」のスピンオフも1冊もないし。地域の公立図書館に予約を入れておかないといけないなぁ。

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タグ:獣の奏者
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2018年06月12日

獣の奏者3/王獣が出産!空を飛ぶ!主人公を載せて!なんというファンタジー!アニメも見てみたかったなぁ、、、。


講談社 青い鳥文庫 273-3
獣の奏者(けもののそうじゃ)3
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2009年3月15日 第1刷発行
2009年6月4日 第3刷発行
講談社

主人公、卒業。そして、とうとう、外から人がやってきた。それも、王宮から。そして、王獣が子供を産む。王獣が空を飛ぶ!主人公を載せて。子が目を輝かせて言うだろうなぁ「いいなぁ〜」って。

主人公の母親の民族の共有しているものと2代の王の知っていることは共通していることがわかる。が、現王は何も知らない?黒幕はだれ?そして、共有する物語とは?次を待て!

、、、という感じで終わってしまうので、困った。4巻目を読むときにはこの3巻目はもう手元にない。もしも時間が開いてしまうと詳細を忘れてしまいそうである。早く借りてきてねと子に言ったのだが。子は「ズッコケ探偵団」さえもまだ読み終えておらず、それをいったん返す形で借りなおしてわざわざこの3巻目を借りてきてくれたのだった。これ以上せかすことはできそうにない。続きが気になる。



同作者原作の「精霊の守り人」のアニメ編と、宮崎吾朗監督の「山賊の娘ローニャ」のアニメを合わせたような雰囲気を感じる。作者も参加とのアニメ(2009年)がある。見そびれたのでよけいに気になっている。

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↑ ものすごいお値段だなぁ。中古価格でも2000円弱から1万円弱までと下がっていない上に欠品もある。うーん。




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2018年06月11日

獣の奏者2/タイトルの意味がなんとなく理解できたような気がしてくる、穏やかに感動的な巻。忍び寄る災難の暗示もあるけれど。


講談社 青い鳥文庫 273-2
獣の奏者(けもののそうじゃ)2
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2009年1月15日 第1刷発行
2009年6月4日 第4刷発行
講談社

1巻には母親と死に別れた経緯、養父との幸運な出会いとその充実した生活が描かれる。母親との生活は虐げられていて明るくはないし、母親の死は壮絶だ。とんでもない体験をして、拾われて。海のものとも山のものともわからない相手に身を託して。けどそれがほかに替えられないほどのよいめぐり合わせで。

さて2巻目は、と手に取ると様相が一変する。1巻目の壮絶さが実はかなり牧歌的なものだったということがわかる。つまり、どんなに悲惨でも個人的な出来事だったというわけだ。

子も言っていた。「読んでも読んでも主人公が出てこない(笑)」そう、国の成り立ちと民族の確執が描かれている。

鋭い観察力と無限の探求心、そして一度聞いた音を限りなく正確に再生する能力を持つ主人公が、その才能をいかんなく発揮する。

もしかしたら一連のシリーズ(長編)の中で、もっとも主人公が幸せだったひと時の物語なのかな?と気が付いたとき、脳裏に浮かび上がっていた物語の映像が、キラキラとしたイメージに変化していった。

さて、1巻目にも作者にとっての物語の成り立ちなどのなにがしかが書いてあったが、2巻目の巻末にも本書の作者と「黒魔女さん」の作者との対談がある。それは単独ではとても充実したおもしろい対談なのだけれど、あまりにも現実的過ぎて困った。読まなければよかったなぁと思ったのだけれど、1巻ごとに図書館に返さないといけないので後でまとめて読むということができない。うーん。悩ましい。そう、読まない、という選択肢はない。そのくらい内容はおもしろいのです。ただ、ファンタジーを読むときに、作者の経歴やお人柄、そのファンタジーの着想経緯とか、創作についての作風や技巧などのお話などの現実的な情報は、取り合わせとしては難しい。少なくとも私には、難しい。ターシャ・テューダーの絵本さえも、ターシャ・テューダー本人の考え方や生活などについての説明や知識などよけいなことなど一切不要なのと同様に。

子は、無邪気に、「王獣って可愛いねぇ!」とほれぼれとしていた。

王獣は、闘蛇を麻痺させて食べてしまうんだけれどねぇ(笑)(笑)(笑)。


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↑ ほんとうに11巻で完結するのかな?短いような気がするけど、アマゾンのレビューを読む限りでは完結しているらしい。小説を全部読み終わってから読むと感動が倍増するらしい。気になる(!!!)。








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2018年06月01日

獣の奏者1/このシリーズであれば受験にもOK?と気にしていた、本は楽しみで読むものだよねと思い複雑だけど、とにかく面白い。


講談社 青い鳥文庫 273-1
獣の奏者(けもののそうじゃ)1
上橋菜穂子/作
武本糸会/絵
2008年11月14日 第1刷発行
2009年6月4日 第5刷発行

ぱらりっとめくってみたところ、ものすごく面白そうだった。先記事にも書いた通り今までのように子の読む本のほとんどを一緒に読んで伴走するのは難しくなった。読む気はなかった。が、子が家で読書をする代わりに学校帰りに読みながら帰ってくるようになった。つまり、毎日のように借りてくるのではなく、2冊の本を1週間くらいかけて読むようになったのだ。それならば読める!と思った瞬間に子がすかさず「早く読んでよね」と。「ズッコケ結婚相談所」の記事にも書いたとおりである。

読んでいると、匂いや香りがしてくるような気がしてくる。ぬめっとした感触を覚えるときもある。水がまといつく感覚がひっきりなしにする。目も耳も味も研ぎ澄まされてくる。五感が鋭くなったような気がしてくるのだ。

闘蛇のうろこがびっしりと生えている胴体の感触を「私は知っている」という気がしてくるのだからすごい。

子がまたまたすかさず顔を覗き込んできて言う。「面白いでしょう?!」

図書館には6冊並んでいるそうだ(シリーズは8巻だけど)。あまり長くないのでほっとしたとのことだった。まてよ、と私が子に言った。「この作者の名前、見覚えがあるんだけれど。」そう、ドラマとアニメで一緒に楽しんだ「精霊の守り人」の作者だった。子が「ああ!」と嬉しそうに目を輝かせた。この本の隣に、ずらりーっと並んでいるそうだ。ものすごくたくさんあるとのこと。読むとおもしろいかも!と思ったようだ。

「精霊の守り人」は人の名前や国の名前などがどうにも覚えられそうにないと子に言ったところ「そうかな」とこともなげに言う。社会科の得意な子にしてみれば、どうということもないらしいことに改めて気が付く。

このシリーズが終わったら「精霊の守り人」にトライする?と声をかけてみようかな。親子であのファンタジーを読むことになるとは、想像もしていなかった。ちょっとわくわくしてきた。

このシリーズも、コミック化、アニメ化されているようだ。アニメなんてWikipediaによると2009年に放映だったとある。気が付いて録画しておけばよかったなぁ。

さて、子が親に借りてきた本を読んでほしいと思っていた様子が伝わってきた。読み終えたときに心配そうにこう言った。「この2つのシリーズなら、小6の1年間も読んでもいいでしょう?」ああそうか。読書が受験に役に立つとは限らないよ、と話をしていらい気にしていたんだな。嬉しいと思った。けれど、読書というのは楽しんでやるものだよね、と本末転倒を自ら招いておいて、思ってしまったのだった(汗)。

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2018年04月02日

ファオランの冒険6〈果てなき青み〉へ!/約束の地(なのか)へ!戻っていく旅、読了だ〜(泣)


ファオランの冒険6
〈果てなき青み〉へ!
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2015年1月23日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #6 STAR  WOLF
2013 by Kathryn Lasky

最終巻だ。子が目ざとく「ああ!とうとう!」と絶望的な声を上げた。絶望的な理由は、私のためである。こんなにのめり込んだ楽しいシリーズを読み終える「絶望感」を代弁してくれたわけである。

よみにくかった(と個人的に思った)5巻目とは打って変わって、のっけから読みやすい。

5つあった火山のうちの2つが消え、聖ウルフが守っていた石が開放された。骨ウルフたちの欠損が消える。が、生まれつきではないエドメの片目は直らない。当然なのだが。

ファオランの足の裏の渦巻きも消えない。これは不思議だ。が、ファオランは、いままでのように独特の足跡が残らないようにするのではなくて、ことさらに残すようになる。どうせ匂いで自分の所在はバレるのだし。サンダーハートとはぐれたときに見つけた大きな洞窟は、壁画だらけだった。そして、夢に出てくる示唆。呼応するかのようにエドメがファオランに重ねて見る映像。

これらがどのように収束するのか、のっけからワクワクする。

ファオランにだけ見えている西の新天地を目指す本格的な旅が始まる。

ファオラン自身の古とのつながりが導く旅である。が、アバンが新世代らしく新しい絆を作って新たなる群れの導き手となる。

ファオランの実の姉妹の育ての母親カイラと、みんなの宿敵ヒープとの子アバンだ。海に落ちたときに一角獣に助けられる。それを機に海の生き物たちと通じ合うようになる。

また、エドメの宿敵だったはずのバンジャの子マウディがつないだ、金色の蛾ベルズとの絆が最後の決め手となる。

エドメが育てることになった孤児のミルグロッシュは、尾を再び失ったヒープの傷を攻撃して最後の戦いの火蓋を切った。

新しい土地にはバイソンが走り、古の記憶のある馬がファオランを認める。「〈星を読むオオカミ〉が、もどってきた!」と高らかにいななく。

アバン(男の子)、マウディ(女の子)、そしてミグルロッシュ(男の子)の3人と、一角獣やシロイルカ、ツノメドリたち、そして蛾とのつながりが新しい物語を予感させる、ような気がした。

フクロウたちの世界はどうなるんだろうか。一人だけ新天地にやってきたグウィネスはもう年寄りだし、ガフールの神木のフクロウたちは中の国に逃げたらしい。

新天地に向かう一行を空の上からサポートし続けたハクトウワシたちは、ソーレンたちが聖エゴリウス寺院から脱出するのを助けてくれたハクトウワシたちの巣を引き継いだワシたちだった。

最後に合流したラグズは魔女サークに恩を受けたはぐれオオカミだ。

ファオランは西の土地を離れ東に定住した最初のオオカミ、フェンゴの輪廻転生だったらしい。フェンゴは東の土地でグランクに出会う。グランクは国王ラースの幼馴染にして伝説の王フールの養父である。

そして、エドメはフェンゴのつがいである。一緒に東の土地に行くことが出来ずに西の土地でフェンゴを見送った。

フェンゴと別れたその場所に戻ってこれたとき、ファオランとエドメはつがいになる。

こういう複雑なつながりも楽しい。

ところで、大きく見ると旧約聖書の世界が垣間見えるような気がしたのだけれど深読みのし過ぎかな。

エデンの地を追われたものの、せっかく「約束の地カナン」で平和裏に融合して定住していたのに飢饉のために奴隷としてエジプトへの入植をする人たち。力をつけすぎたために警戒され住めなくなり、「約束の地カナン」に戻る人たち。方向はファオランたちとは逆なんだけれど。

方向といえばファオランたちが目指すのは「西」だ。白人たちは西へ西へとひたすら移動していった。

そして、たどり着いたとき、いかにも「おかえりなさい!」と馬に迎えられた、みたいな。

アフリカからエデンの園までは人類みな一緒だったものが、エデンの園からは東と西に分かれる。西に向かった白人はヨーロッパの端までたどり着くと船に乗ってさらに西へ。アメリカに上陸しても大陸を横断して西を目指し続ける。そこからまた船で太平洋を超えて西の果ての日本にまでやってくる。日本を越えて更に東南アジアに向かい、またもやエデンの園をつつきはじめてン十年だ。

ファオランたちが時を越えて移動したのは西から東へ、そして東から西への往復なので、カナンの地とエジプトの関係と真反対なのも示唆的だ。しかも大きく見るとそれとは別の流れである白人たちの大きな流れに呼応しているような気がしてくるわけだ。白人にとっては根源的な、とても大切な伽話なのかもしれない。

洗脳されて子どもを捨てたことのあるファオランの姉妹たちの養母が、実子のアバンの鳴き声に惑わされてまたもや我を忘れる。そんなカイラをかばって命を落とすのがバンジャである。この群れでの唯一の犠牲者である。

バンジャは言ってみればただの骨ウルフ(聖ウルフ)だ。一方、カイラは群れ生え抜きのエリートだ。そしてカイラはリーダーであるファオランの姉たちの養母であり、海の生き物たちと通じ合うアバンの実の親である。洗脳されやすいことを除けば優秀で有能で素晴らしい母親である。が、バンジャが犠牲になる必然性がいまいち飲み込めなかった。カイラが自分の愚かさのために仲間を犠牲にしてしまったことをなんら洞察していないために、気になるのだろうな。マリー・アントワネットと重なって見えた。

また、そのようなカイラと悪の根源であるヒープとの間の子が次代を担うような力を持つアバンであることも気になる。まるで、ナイラの子どもでソーレンの甥であるナイロック(コーリン)の悲劇的な出生を思い出させる伏線である。

「若おかみは小学生!」でも思ったのだけれど、シリーズ物は半年に1回のペースで出るものなのだろうか。有名なゾロリはどうだったっけ?と過去記事を見た。するとやっぱり!半年に一度だ。執筆には半年に1度が良いペースなんだろうか?と想像してみた。実際にはどうなんだろう?

2018年3月現在73歳。作者は70歳前後でこの物語を書き終えたようである。続編、出るかなどうかな。微妙かなぁ。

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ファオランの冒険6 〈果てなき青み〉へ!

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2018年03月30日

ファオランの冒険5旅する仲間たち/神秘と伝統と秩序を重んじる世界の地が揺れ天地ひっくり返る


ファオランの冒険5
旅する仲間たち
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2014年6月20日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #5 SPIRIT  WOLF
2012 by Kathryn Lasky

ファオランの冒険の物語は、足元が揺れることから始まっている。ファオランは捨てられたとき、氷にしがみついて、サンダーハートの足にしがみついて助かる。サンダーハートとは地面が揺れて、はぐれる。そして、夏に冬の嵐に襲われたこの地に、大地震が襲う。

巨大な氷河がものすごい速度で流れ、氷には亀裂が入り、ありとあらゆる命を奪う。が、小動物があぶり出される。生き残ったオオカミたちは飢えを凌ぐことができるようになる。

生き残った仲間たちが次第に集まる。ファオランを先頭に西を目指すことになる。

それは、かつて西から東に移動した先祖たちの逆をたどる道となる。

珍しく「著者あとがき」がある。ウィリアム・バトラー・イェイツに影響をうけたことが書かれている。イェイツの「不滅の魂」の概念がイェイツの「複雑な哲学体系の一部をなしている」とあり、「長年にわたってイェイツの哲学に魅了されてきた」ので、本著で「不滅の魂」を扱うことにしたのだそうだ。が、「本著での『不滅の魂』はイェイツの理論とはまったく異なる」のだそうだ。

今回のこの巻は個人的にはとても読みにくかった。文章が長くて、概念的すぎて、なにがいいたいのかわからなくなる場面が多かった。地震によって足元が揺れ、見慣れた世界が天地逆さになって崩れ、何代にも渡って保たれてきた理にかなった秩序がなくなった。拠り所が消えた世界を描くには、最適な混沌さだろうとは思ったのだけれど。なので、意図的に難しく概念的にしたのかもしれないとは思ったのだけれど。

本編である「ガフールの勇者たち」の2巻目を読んだときに感じたのと似たような気分になったのは確かだ。読むスピードも自覚できるほど落ちた。翻訳者が原作に忠実に約しているのならば、原作が抽象的なんだろうな。フクロウがラディカル、幽霊さえも科学的だとしたら、オオカミは神秘主義であり、レジェンド好きだ。そんな彼らの世界を描いているのかもしれない。けどまァ、繰り返しになるけれど、読みにくかった。

子がこの巻で挫折しなければよいのだけれど。なんて心配していたら「ガフールの勇者たち」の第2巻のときのように、「面白かったけれどなにか?」みたいな反応をされるかもしれないので、余計な心配をしないことにした(笑)(笑)(笑)。

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ファオランの冒険5 旅する仲間たち

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2018年03月29日

ファオランの冒険4仮面をかぶった預言者/ミスレリー仕立てでドキドキするよ!


ファオランの冒険4
仮面をかぶった預言者
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2014年1月17日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #4 FROST  WOLF
2011 by Kathryn Lasky

季節がおかしい。夏なのに雪が降る。餌が足りない。というか、なんと、いない。例年ならば群れ同士でも情報を交換し合う。それがない。静かすぎる。最大の餌であるカリブーの群れがいないのだ。

最大の一族であるマクダンカン一族では、賢明なダンカン・マクダンカンが亡くなり優秀なつがいのキャサリンも亡くなって、箱入り息子のリアム・マクダンカンが首領となる。が、リアムは頼りない。流れ駆けで合図を出せず、失敗。そもそも食べるものがないのだ。厳格なオオカミの序列が見る間に崩れていく。

もともと残忍なはぐれオオカミたちは共食いをする。

そんな地獄風景が繰り広げられているところに、変な(?)宗教儀式(?)が見られるようになる。

兜をかぶった預言者がいる、という。

ファオランがマクダンカン一族に骨ウルフとして戻ったときに最初から親しみを持ってくれていた姉妹のディアリーとマイリーが何者であるかが判明。

ミステリー仕立て(?)なので、これ以上書くとネタバレしてしまう。子と話をするときにも、勢い気を使って何も言えなくなる(笑)。早く追いついてほしいなぁと思いながらも、先を急いで読んでしまう。


このシリーズ全6巻を公立の図書館から借りている。1〜3巻は紙が柔らかくなっていて、それなりに読まれているのかもと思ったり思わなかったり。ようするになんの引っ掛かりもなかった。が、4巻目のこの本、やたらときれいだ。誰も読んでいないのかしら?と思った。が、図書館の本棚に並んでいなかったこともあるのだから、もちろん借りた人、いる。

しばらくしてようやく気がついた。この巻から KADOKAWA/メディアファクトリー のものだった。

パッと見、同じなんだけれど。ちょっとした細かい部分が確かに違う。そして、なによりも紙が違った。本の手触りで気がつくなんてね。そんなことがあるんだなぁって思った。

Wikipediaをによると、メディアファクトリーは2013年10月にKADOKAWAに吸収合併していた。3巻目でメディアファクトリー単体としてはこのシリーズの発行は最後だったんだね。

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ファオランの冒険4 仮面をかぶった預言者

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2018年03月28日

ファオランの冒険3クマ対オオカミ 戦いの火蓋/こんな大事になって大丈夫なのかしらとハラハラ


ファオランの冒険3
クマ対オオカミ 戦いの火蓋
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2013年6月14日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #3 WATCH  WOLF
2011 by Kathryn Lasky

ヒープがいなくなってようやく落ち着いた。すこしは平和な雰囲気を味わえるのかと思ったら、今度はエドメになにかと敵対するバンジャという聖ウルフが現れて、わずらわしい。それはともかくとして、聖ウルフとしての最初の使命は自分の捨てられた場所にいくことだ。が、エドメは教えられた場所に行っても何も感じられない。自分は捨てられたわけではなかったことを知り、マクヒース一家との決別を宣言する。

エドメの目は一族から聖ウルフを出したいマクヒース一族の人為的(狼為的?)傷害であることをエドメが暴露する。マクヒース一族は解散。

エドメが捨てられた痕跡を感じられないということは、生き残って一族に戻っってきたわけでもないということなのかな?一人でサバイバルした場面がそういえば、ない。ほかの聖ウフルたちと昔話をシェアすればすぐにわかることだろうに、とも思ったけれど、聖ウルフたちは自分の個人的な話を互いにしないのかもしれないね。

マクヒース一家は報復に立ち上がった。子グマをさらって泡ふき病にかかっているオオカミの住む洞穴「カグの穴」に置き去りにしてしまう。そこに入れられた子どもはもれなく、自殺するか、月光麻痺にかかったように目の輝きを失うという。そこでの月の光に該当するのは「なまえ」だ。そのことに気がついた子グマは賢く立ち回って正気を保つ。

子グマは救われてクマとオオカミは和解する。エドメが母の敵であるタンバー・マクヒースを倒す。

ファオランは実母の死に目に立ち会うことができた。

自分の存在意義を揺るがしかねない実の親との絆がしっかりと結ばれた主人公たち。

よかったよかったと思っていたら、

季節が狂い始める。

オオカミたちの事細やかな社会とルールなどがクローズアップされているような気がして、オオカミの世界ではこれ以上複雑なことも起きそうにないような気がした。なので、「面白い?」と訊いてきた子に「もうそうでもないかも」と答えてしまった。生みの親のモーラグとも死に際に会えたし、もうよいんじゃない?と思ったのは大間違いだったよ。夏なのに雪が降る。ああ、冷夏かと簡単に考えてはいけない。死活問題だ。

1巻目は取り合うように読んだ。2巻目は子が算数と格闘している間に読んでしまった。あっという間に親に先を越された子。しばらくは不機嫌そうだったけれどやがて諦めてゆっくりと噛みしめるように再び読み始めた。子が先に読んでしまったほうがネタバレを気にせずに話ができて楽しいんだけれど。話が面白すぎて読むのをやめられない。


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ファオランの冒険 3クマ対オオカミ 戦いの火蓋

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ファオランの冒険3 クマ対オオカミ 戦いの火蓋

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2018年03月27日

ファオランの冒険2運命の「聖ウルフ」選抜競技会/意地悪なヒープ、意地悪たけなわ〜(汗)


ファオランの冒険2
運命の「聖ウルフ」選抜競技会
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2013年1月18日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #2 SHADOW WOLF
2010 by Kathryn Lasky


失敗をしながらも群れの掟に馴染んでいくファオラン。そんなファオランに嫌がらせを続けるヒープ。奥歯の立てる音がファオランの神経を逆なですることを知り、タイミングよく近寄っていっては音を立てる。ファオランはそのたびに調子を崩してしまうのだ。マクヒース一家の骨ウルフ、エドメがフォローにはいったことで、一緒に聖ウルフに選ばれるという幸運にも恵まれる。

ヒープは面白くない。ファオランを子殺しの犯人に仕立て上げる。が、奥歯の形が災いして真相がバレて群れから逃げ出す。

けれど、諦めていない。ファオランが大切にしているサンダーハートの骨を狙いに戻ってくる。グウィネスが気づいてファオランとともに戦う。

相手の嫌がることを見つけては執拗に攻撃を続けるのって、すごい神経だ。けれど、確かに、身近にそういう人はいる。どこに言っても常に一定の割合で、存在している。そんな、接したくもないような性質のものを、丁寧に描く作者のすばらしさが際立つ。聖なるものを描きたかったら、そうでないものを克明に描くと好いのだなぁ。コントラストだ。

物語も、実際の出来事と伝説と、スピリチュアルなものが混在して進んでいく。これもまた、現実主義ごりごりの魔女サークの存在で、よけいに精神的なものが際立つのだなぁ。実際の物語も、嫌がらせの結果がよいものをもたらしたりと、いろんなものが「風が吹けば桶屋が儲かる」式に連鎖していく。複雑な物語になっている。「ガフールの勇者たち」を読んでいるときに子が言ったのだけれど、本当、どういう頭をしていたらこんな複雑な物語を紡ぐことができるのだろ。


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ファオランの冒険 2運命の「聖ウルフ」選抜競技会

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2018年03月26日

ファオランの冒険1王となるべき子の誕生/のっけから面白い。止まらないダイアウルフの物語


ファオランの冒険1
王となるべき子の誕生
キャスリン・ラスキー
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 絵
2012年7月6日 初版第1刷 発行
メディアファクトリー

THE WOLVES OF THE BEYOND #1 LONE WOLF
2010 by Kathryn Lasky


「ガフールの勇者たち」の実質の続編とのこと。2巻目ごろから時代が判明するのだけれど、ナイロック(コーリン)の時代が終わり、ソーレン王が統治している時代。コーリンによって持ち出された燃える石が再び火山の中に戻されて、ダイアウルフ(正確には骨ウルフたち)が守っている時代だ。ということで、本当に「ガフールの勇者たち」の後の時代である。

ダイアウルフたちの掟で、ちょっとでも変わったところのある(将来的にあるかもしれない可能性のある)個体は、群れから追い出されて捨てられる。ファオランのお母さんは、子どもを捨てられるのを嫌がって群れから隠れてお産をする。けれど見つかって、捨てられてしまう。が、子どもをなくしたばかりのハイイログマの足にしがみついて助かるのだ。

しかも、ハイイログマの素晴らしいこと。わが子同然に育て上げる。狼の子であることを踏まえた上で、自分に教えられることをすべて教えるのだ。

が、冬眠から目覚めたときハイイログマは地震に襲われて命を落とす。

2人の母親を亡くしてどのように生きていけばよいのか途方にくれるファオランに新しい出会いがある。はぐれ鍛冶のグウィネス。グウィネスの父親も鍛冶。白いはぐれ鍛冶と親しくて、グウィネスは彼女から鍛冶を教わる。

ナイラに殺された白いはぐれ鍛冶といえば、ガフールの歌姫ブルンウエラ(マダム・プロンク)の姉、シルバーベールの女鍛冶ソーラだ。!実にあっさりと殺されてしまってあっけにとられたのだけれど、こんなふうにつなげたんだなぁ。

ファオランはグウィネスからたくさんのことを教わる。そして、狼の群れに合流することを選ぶ。

けど、そもそもの元凶である足の指が開いていることで死病にかかっていると誤解される。狼の群れに取り囲まれて襲われる。育ての親ハイイログマのサンダーハートの訓練の賜物である強靭な跳躍力でもって事態を打開するファオラン。無事に群れに加わることが出来たものの、いましたよ、意地の悪い狼が。

どこにでもいるものかな、ヒープのような嫉妬深い存在。黒いフクロウのようにいやらしくつきまといそうだ。

ファオランは、サンダーハートにつけてもらった名前「ファオラン」をダンカン・マクダンカンに告げる。

自分の名とその由来にこだわるのはこのシリーズの通奏低音のような。欧米人は名前に関するこだわりが日本人よりも強いんじゃないかと思うことがあるのだけれど、そのあたりの事情がとてもよく表現されているシリーズのような気がする。



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2018年01月09日

ガフールの勇者たち/「神木」の読み仮名が(駄) 15巻セットがあるんだ(あったんだ)!


ガフールの勇者たち
キャスリン・ラスキー 著
食野雅子 訳
中村 佐千江 訳
Richard Cowdrey 表紙イラスト
有田 満弘 イラスト
メディアファクトリー
KADOKAWA

原題、「 GUARDIANS OF GA'HOOLE 

子が時々、気に入った箇所を音読してくれる時がある。そのときに読み淀む言葉が「神木」だった。「ガフールの神木」である。児童書とは思えないほど遠慮なく漢字がたくさん使われているがその分、しつこいほどフリガナが振ってある本なのだ。なのに、「神木」は最初から最後までフリガナがないのだ。

で、最初にフリガナを見つけたのが、表紙だった。

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15巻中の14巻目のタイトルだ。が、表紙をしげしげと見つめるには、もう物語が切迫している。寝食忘れて読み老けてしまう13,14、15巻、なのである。特に14巻は最後の一番大きな山場である。タイトルなんか目に入らない。そして、本文にはあいかわらず「神木」にフリガナはないのだ。

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そして、外伝の2冊のうちの1冊目の「エピソード0 はじまりの物語」にも「神木」にフリガナがない。

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で、突如、最後の1冊の「特別編 失われた6つの物語」に、最初から最後までとにかくしつこく「神木」にフリガナが振ってあった。ようやく、最後の1冊に、である。

「なんでだろうねぇ(笑)」と子もしみじみと言った。

それだけなんです、この記事。

名残惜しすぎますが(泣)、これで本当におしまい。

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2018年01月08日

ガフールの勇者たち 特別編・失われた6つの物語/宝物のような物語が6つも、読み終わりたくない


ガフールの勇者たち 特別編
 失われた6つの物語
キャスリン・ラスキー 著
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 表紙イラスト
有田 満弘 イラスト
2015年4月17日 初版 第1刷発行
メディアファクトリー児童書編集部
KADOKAWA

原題、「 GUARDIANS OF GA'HOOLE  The Rise of a Legend

ソーレンが「はじめに」を書き、本編をオツリッサが書いている。「おわりに」の挨拶もオツリッサだ。オツリッサが6話それぞれの主人公たちから聞き取った物語をまとめている形だ。粋だなぁ。

1,勇かんな姉妹の話 ソーラとブルンウエラ
2,賢い小さなフクロウの話 フリーサ
3,名誉を取りもどした老戦士の話 アグラモア
4,砂漠を救った兄弟の話 テイビスとクレタス
5,父親の夢と幽霊の話 ブライト
6,運命の王子の話 クリーブ

ソーラはシルバーベールの女鍛冶で、マダム・プロンク(ブルンウエラ)の姉。声の素晴らしい姉妹。医者で人格者の父親を持つが、、、行く末を知っていて読むのでとても悲しい。

フリーサはクラール(海賊)の出身。オツリッサが発行する新聞「イブニング・フート」の副編集長。ピンクが好き。クラール(海賊)だけれど素晴らしい父親を持つ。そしてその父親も、、、ほのぼのとした物語だなぁ。

アグラモアは純血団のナイラの副官。実質のコーリンの育ての親。コーリンやグインダー、ドク・ファインピーク、ダイアウルフたちからの聞き取りで、その知られざる本当の清い心と行いが浮き彫りになる。悲しいけれど崇高な物語。

テイビスとクレタスはトワイライトの兄たち。すみかを失って砂漠に住むようになった経緯、断片的な微かな異変から危機を察する聡明さ、自分たちを迎えてくれた砂漠の住人全員を救おうとする賢くて勇敢な行い。本編では簡単にしか触れられていなかった純血団の潜伏時の様子がとても良くわかる。

ブライトはブラッド・センターの、アンバラの〈緑のフクロウ団〉だ。そして、、、これ以上言えない。ネタバレしたくない。宝物のようなお話。

クリーブはオツリッサのつがいの相手。グロー修道会で医学を学ぶ。暴力と戦争を拒否して中の国のダンヤーの術を身につける。北の王国の最も古い家柄の出身。家の跡取り兄クレイ(クレイモア)を襲った悲劇。クレイの戦闘爪を磨く係のジャックの悲劇。

そして、「おわりに」でオツリッサが爆弾発言!子がびっくりして喜んだ!音読してくれた。

これで、賢いフクロウたちの物語は本当に、お・し・ま・い。



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2018年01月05日

ガフールの勇者たち エピソード0はじまりの物語/天才エジルリブの前半生、面白いなんてものじゃない


ガフールの勇者たち エピソード0
はじまりの物語
キャスリン・ラスキー 著
中村佐千江 訳
Richard Cowdrey 表紙イラスト
有田 満弘 イラスト
2014年4月18日 初版 第1刷発行
メディアファクトリー児童書編集部
KADOKAWA

原題、「 GUARDIANS OF GA'HOOLE  The Rise of a Legend

面白いらしい、という情報が子から寄せられた。学校の図書館にはないのに、なぜ読んだ級友がいるんだろう?と訊いたところ、級友がハマりすぎて買ってもらって何度も読んでいるんだそうだ。もちろん、本編も全部揃えてもらったんだとのこと。しかも何度も読んでいるんだそうだ。確かに、それだけのことはあった。

以前記事に書いたが、子は本編11に入る直前にこちらを先に読んだ。ものすごく面白かったそうだ。まぁ、こちらから先に読んでしまうと、本編のネタバレになるんだけれど。ただし、コーリンがどうなるのかについては、全く触れていないので大丈夫だ。

オツリッサもそうだけれど、エジルリブ(キールのライズ)は天才肌なんだなぁ。しかも、弟がダークサイドに落ちていった。ソーレンの兄同様に。しかも、そのために最愛の妻を失ってしまう。

若いエジルリブが古い体制に新しい発想を盛り込んでいく場面は生き生きとしている。とても新しいものを感じさせてくれてワクワクする。戦うことを辞めてのちのことも若い身での転身で未来がなんだか明るい。けっしてハッピーエンドでもないのだが、読了感が爽快だ。

この1冊から読み始めても大丈夫だと子が言っていたが、たしかにそうだ。

ああしかし、あと1冊で読了だ。なんともいえず悲しい。

どれだけのめり込んでしまっていたのかを痛感する。面白い世界観だ。改めてそう思った。



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