2020年04月13日

後悔しない子育て(信田さよ子)/毒親を毒親にしない救済本?ウィンウィンの子育てができるかも〜


信田さよ子氏の著書といえば「毒親」「毒母」に関する著書に救われた人は多いだろう。そんな著者の最新作がこの本であるらしい。図書館の電子図書で見つけたので早速読んでみた。文章が簡潔。内容が厚くて深いわりにはボリュームもさほどではない。つまり、読みやすい。子育てで座る暇もない人たちにとって手軽であるということは最高のコスパである。

不調だったのに長年だましだまし使っていたパソコンをとうとう買い換えたせいか(?)この本はパソコンでも大きな文字で表示されてとても読みやすい。パソコンで縦書きは読みにくいと思っていたが、これならば大丈夫。よかった。で、最初に笑ってしまったのは「はじめに」の部分にさっそく「世の中にはじつにさまざまな育児書や子育ての情報があふれていることをご存じでしょうか。〜近年ではそれらが子供ン年齢別に細分化され、男の子、女の子、一人っ子、などによってバージョンが違っているの見ると、ちょっとめまいがしそうな気がします。」とある(笑)。そこにもう一冊世に出すのだから、大笑いした。

また続いて「ここ数年は、元気な中高年の登場によって、じいじ・ばあば、つまり祖父母のための孫育て本まで登場しています。」とあって、最新情報を伝えてくれている。

目次を眺めてもわかるのだが、根底に流れている思想はこの本を読む母親をせっかくなので是非とも「毒親にしない」ことなんだろう。こまごまとしたノウハウではない。子供を脅迫しないこと、適切に導き、タイミングよく適切な命令をすることなどの親としての基本的な心構えが書かれていて、基調講演のような内容である。

後半は母親をめぐる人間関係のパワーゲームが子供に及ぼす影響について切々と述べてある。著者の真骨頂の部分だろう。大人の保身がどれだけ子供を傷つけるか、子供を大人のために利用する大人がどれだけ害になるかについて、具体的に書かれている。要するに毒親になるな、ということなんだろう。

「毒親」と我々が呼ぶ加害者はそのまた親や自分の性格的な自分ではどうにもならない反応の被害者であり加害者にしてはならない救済すべき対象であるという著者の温かい愛情も感じる。

斬新だ。

こういう子育てをしましょう!というような価値観や世界観を示すものはたくさんあるがそんなものは好みで決めればよいものであって、子育ての骨子というか構造を簡潔に示してくれるこのような本こそが子育て本だ!と感動して読み終えてみれば、本の「おわりに」の副題が「〜たぶんこれは「最強」の子育て論だ」と書いてあったのでご自分でおっしゃるんだ!と大笑いした。

私が子育てをしていた10数年前は「叱らない子育て」が横行していた。真の「叱らない子育て」ではなく偽物だ。子供に強い調子で「命令」したり叱ったりしていたら顔をしかめる「優しそうな」お母さんたちが闊歩していたのだ。そういうお母さんのお子さんはもれなく社会性が低くて自分勝手で手に負えなかった。叱られないお子さんたちは「わがまま」なわけではないのが面白いところだ。もれなく「社会性が低くて自分勝手で手に負えない」のだ。つまり、何かが育っていなかった。

叱らない子育ての先に人間としての最大の能力である「創造性」を伸ばすことに焦点が当てられているのは明白だ。わが子の目に棒を突き刺そうとしたり、砂場で頭に砂をかけるお友達がいた。「やめてね」と優しくいってもやめない。すぐに止めないとわが子が失明したりするわけだから棒を手で払いのけたり、砂をかけようとする手を払いのけたりすることになるのだが、そんなことをしたらお母さんがすっ飛んでくる。「なにするの?!うちの子の創造性の芽を摘むつもり?!

「おたくのお子さんの創造性のために、なんでうちの子が失明したり頭に砂をかけられるのを許容しないといけないのか、納得のいく説明をしてもらえるんだよね」と詰め寄ったら、ぷいっとそっぽ向いてしまった。今思えば、もっと詰め寄ればよかった。説明を聞きたかった。どういう理屈で整合性をつけていたんだろうか。いまだに気になる。

が「叱らない子育て」を実践しているお母さんたちは一様に詰め寄られないようにどこまでも強気で、どんなことにでも勝つ気満々な態度を貫いていた。簡単に言えば話し合えるような雰囲気がいっさいなくて付き合いきれなくなって数年で自然消滅したので、聞けないままとなってしまった。知り合いを通じて知るともなく知った近況では、ある時期からまったく手に負えなくなってしまい日常生活が回らなくなったそうだ。で、やっとお母さんが夫に頭を下げたらしい。夫が厳しく仕切り直しをしてどうにか就学したのだと聞いた。お子さんの性格によっては叱らない子育ても大成功を収めて大天才を世に送り出すこともあるだろうから、難しいところかもなぁとしみじみと考えたのをよく覚えている。

そうなのだ。つまりは、子供の性格と親の性格、環境を総合的に見てひとりひとりに合った子育てを模索するしかないのだなぁ。でも、子育ての骨子というものはあるはずだと当時の私も思った。そして見つけた本が

母親を奴隷にする子どもたち―シュララッフェンランド・シンドローム」。

奴隷ってさすがにそれはないんじゃない?と思いながらも手に取ってみた。内容は衝撃的で、納得のいくものだった。外国もののあるあるで長々としている本だがその分説得力半端ない。

そして日本にも同様の内容の本があったんだ!と目からうろこが落ちたのが田中喜美子氏の「ちゃんと「話のきける子」に―「言うことをきく・きかない」は親次第」だった。こちらは外国物とは真逆でコンパクトにまとまっていて読みやすい、とても薄い本だ。添い寝マンセー!のど真ん中で子育てをしていたあのころに「一人寝」の勧めを頂点に据えた構成で、欧米の子供たちが一人で眠っていることを小さいころから知っていた私も「日本で?」と仰天した内容だった。我が家は幸いどこででも眠ってしまう子だったので添い寝をしてもしなくてもあまり関係なく実践する機会を逃してしまったのだが、「添い寝は実は重労働であり、重労働から解放される道は実はある!」という点が目からうろこであり、理屈はしっかりしていて納得のいくものだった。

いずれも子育ての価値観や彩を提案するものではなくて、骨子をかたどる内容だったのが大切なポイントだった。

記録をしてあるものを数えるだけでも100冊を超える子育ての本を読んだのだが、60冊に近づくあたりで「母親を奴隷にする子どもたち」に出会った。それから模索を始め、80冊を数えるあたりで「ちゃんと「話のきける子」に」に出会った。我が家では困っていなかったのだが、枝でわが子の目をつつくようなお友達がいたので「あれはどういうことなんだろう?」と気になっていた。何が問題でそんなことが起きるのかをやっと理解した。

今回読んだ信田さよ子氏のこの本は、切り口は違うもののこれらの本に通じるものがある。

一番大切な、根本原理を丁寧に説いている。とても大切なことを教えてくれている。最近はこういうのが主流になってきているんだろうか?だとしたら、良い時代になったなぁとしみじみと思う。

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posted by kaho at 19:18 | Comment(0) | 育児書&教育書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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