2019年08月26日

星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚(小前亮)2019年第65回青少年読書感想文課題図書1/3/素晴らしい歴史ファンタジー、こんな本があったんだね


星の旅人 伊能忠敬と伝説の怪魚
小前亮
2018/12/19
小峰書店

夏休みの感想文課題図書に上がっていたので図書館に予約を入れたところ、間に合った。予約しないと借りることができなかったわけだから、誰かが先に借りていたのは確かなんだけれど、読まれた形跡はない。まさに新品。図書館で本を借りることができたらそれだけでもお得感があるのだけれど、新品であればなおさらだ。思わぬ贅沢な読書となった。

東大で歴史を専攻した日本推理作家協会会員による歴史ファンタジー?ミステリー?少年の父親の真相を知りたいという純粋な気持ちにほだされる一行の中で、そんな少年らしい気持ちと裏腹に併せ持つ少年自身が戸惑うほどの野心の行方もミステリー仕立て。少年の野心をちゃんとわかって導く知恵者の伊能忠敬の、生来からの頼り甲斐と学者としての実直さだけではない商人らしい老獪さが一行を良い方向良い方向にと導くのか?的なミステリーなど、いろんなミステリーが短いストーリーに絡み合って、楽しいというか充実しているというか、面白い物語だった。

間間に書いてあるコラムはとてもわかりやすかった。私は物語を先に読み、終わってからコラムを読んでいったのだが、そのことを子に言うと「そんな面倒な」と言いつつ結局私と同じことをしたらしい(笑)。

課題図書でなかったらこの本に気が付くのが遅れたかもしれない。

普通?のミステリーも面白そうだし、歴史ミステリーもあらすじを読んでいるだけでワクワクしてくる。読書する時間が取れればこの作者の作品を網羅していくんだけれど、子が率先してそれをしてくれると嬉しいんだけどなぁと思うような良書だった。

面白すぎてあっという間に読めます。

子も途中で止めることができなくて最後まで読んでしまい、眠るのが夜明け前になっていました(笑)(笑)(笑)。

そうそう、子も「表紙の赤い魚とか、怪魚って?」とキョトンとしていましたが、このお話はただ単に地図を作るお話ではありません。北海道という特殊な場所での特殊な歴史と文化のまじりあいは、国内だけではなく国境を接しているロシアのものの入り込んで複雑で、そういうのを巧みにわかりやすく紹介しつつ物語は進み、そしてミステリーの肝となっています。よ。

そのように説明したところ、子が「あ!」と小さく叫んで嬉しそうにほほ笑んだ。

ついでに言うと、文化や地理的な国際的な特殊事情だけでなく、幕府の思惑や当時の家社会のありようなども複雑に絡み合ってじつに深い物語だ。こんなに短い物語にどうやったらこんなにいろんなことをわかりやすく盛り込めるんだろうかと考えると、力のある文章のなせる業に感動せざるを得ない。

2019年第65回青少年読書感想文全国コンクール中学校の部課題図書の3冊のうちの1冊だ。3冊とも借りたのだが、子は全部読んで、そして、感想文を書く本としてこれを選んだ。日本史好きの子らしい選択ともいえる。が、わかりやすい文章に長編でもないのに内容がびっしりで、それは短い文章の言葉の使い方が秀逸で、少ない言葉ですべてを言い表すような表現がうなりたくなるほどすばらしい。少ない読書量子化要求していないのにこれほどまでにたくさんのことを雄弁に語っているのが何よりも説得力があったのだろう。

どんな感想を書いたのかは知らないのだけれど(最近は見せてくれなくなったm(__)m)、吟味して吟味して書いていた。良い文章に触れる大切さをひしひしと感じた夏休みとなった。


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星の旅人: 伊能忠敬と伝説の怪魚

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タグ:課題図書
posted by kaho at 15:11 | Comment(0) | 小説、単行本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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