2015年02月24日

光のカケラ/ドルフィン・エクスプレス5(シリーズ読了)

シリーズ最終巻(竹下文子)。終わってしまった。別れが苦手な子。最後の1冊であることを知っていて、「まだ!いいの!その気になるまで置いとくの!」と逃げ回っていた。今日こそ読むよ!と強引に言う。嫌がる。いずれ図書館に返さないとね。子は何でも「最後のもの」に関してはこの調子だ。大好きなお菓子の最後の1個。セロテープの最後の1cm。トイレットペーパーの最後の10cmなどに至るまで。ギリギリのところでそのままにしている。面倒なのではない。何事も終わるのが淋しいのだ。まあ、気持ちはわかる。というか、わからなくもない。セロテープやトイレットペーパーはたったそれだけ残されたんじゃ困るけれど。

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光のカケラ―ドルフィン・エクスプレス (わくわく読み物コレクション)

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テールは、海の特急貨物便、
ドルフィン・エクスプレスの配達員。
三日月島では、もうすぐジュエルの祭り。
家族や親しい者どうしで贈り物をしあうので、
ドルフィンのいそがしさもはんぱじゃない。
今日の最後の荷物をとどけに、アーケードへむかうが、
そこでテールは、思わぬ人に助けられることに。
〈ドルフィン・エクスプレス〉シリーズ第五作!

登場人物が猫だというだけで、どうしてこんなにも愛おしいのだろうか。いや、猫だからという理由のはずがない。何だろう?と「黒ねこサンゴロウ・シリーズ」第1作を読んだ日から半年、考え続けていた。いろんな種族の猫がいる。いろんな能力を持っている。その特殊能力が吸い寄せる猫たちは、キラキラと輝いている。必ずしも親兄弟に恵まれた猫たちばかりではない。フルヤ・サンゴロウも孤独だし、ドルフィン・エクスプレスの主人公テールなんて、もろに孤児院出だ。同じ孤児院出のジョナにはそれこそ、外界にどんな親戚もいない。天涯孤独だ。その彼女がうわごとをつぶやく。「うちに、かえりたい。」

彼女のいう「うち」ってどこなんだろう?とテールも考える。

テールは名前の通り、しっぽがふさふさしていて、立派なたてがみのある茶猫。元気で前向きでエネルギーに溢れた好青年だ。サンゴロウがいみじくも指摘するように、テールは友達に恵まれている。テール本人にその自覚は全くないけれど。悪い猫もたくさん闊歩する社会の中を、まっとうに潜り抜けて、少しずつ少しずつ、素敵な猫たちをつなげている。それこそ、テール本人にその自覚はみじんもないけれど。

なにかとても大切なものが見え隠れしているような気がするのだ。気になりながら半年の間、このシリーズと付き合い続けてしまった。終わる気がしない。いずれまた、お話は始まる。そんな気がする。

子はクライマックスの美しい光景が気に入ったようだ。読み終わってほかのおもちゃで遊び始めても、時々手を止めてその話を始める。恐ろしいものと美しいものが接する怪しいほどに光り輝く光景。舞台は珍しく波打ちよせる海ではない。光り輝くのは陸の上だ。新しい展開への予兆のように輝く。子も終わりのような気がしないのかもしれない。


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posted by kaho at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 児童文学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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