2016年09月05日

愛はめんどくさい/まついなつき/これって心理学〜マンガなしの文庫本


愛はめんどくさい
まついなつき
幻冬舎文庫
平成17年2月10日 初版発行

背表紙にあることば〜
「これ、書きあげるのに8年もかかったよ」。女はなぜ結婚をし、子どもを産み。姑とバトルをし、離婚を考えるのか!? 「結婚は親に許可されるものじゃない」「結婚はお互い不足しているところを補い合う実験だ」など、自らの切なる苦しい体験から考え抜いた、姑やその家族、夫との付き合いと子供の事、、、。「女の結婚」という永遠の手間に迫る一冊!!

力作だ。

著者が実体験から分析して得た結果だ。机上の空論とは迫力が違う。ぐんぐんと迫ってくる。一方で、アプローチは違っても真理は一つなのかもしれないと思い至る。心理学の本で似たような結論に至るものが手元にあったはずだと思って、山積みにしたままの我が家の本を眺めまわしてみたのだが、見つからない。「怒り」に関する本だったと思う。相手の、あるいはこちらのテリトリーに踏み込んでいく(くる)から「怒り」の感情が沸き起こるのだ、という話だ。「怒り」までいかなくても不快感やイライラはするというものだ。

逆に言うと、イライラしたり不快感を覚えた場合は、誰かに領域侵犯されているんじゃないか?と点検するとよいし、相手を不快にさせた場合はとりあえず、引くことだという。相手の領域を犯している可能性があるからだ。つまり、目の前の相手が怒っているとき、その人は領域侵犯されて困っているのだ、と解釈するとよいという結論だったような気がする。水島広子氏の本のどれかだったかもしれない。

嫁姑バトルに当てはめると、役割交代がスムーズにいかないことが互いの領域侵犯の原因と思われる。

つまり、

夫をいつまでも息子として扱う姑と、自分の夫である立場から対等に扱おうとする妻とのバトル。

孫を我が子同様に可愛がって、嫁の領域にずかずかと上がり込んでくる姑へのイライラ。

実家だって安心できない。実親が牙をむき出しにしてかかってくることもある。

実親の場合は肉親なのでいったん始まるとすべてが辛らつだ、と著者は述べる。

それら以前にそもそも、男と女が結婚したら「家事」という仕事をめぐって主従関係バトル。

子が生まれたら「育児」という仕事をめぐってのバトル。

1つの領域に大人が2人以上いればバトルは必然なのだということに、気が付く。


そうかぁ、そうだったのかぁ。

それらをどう、かいくぐって、どういう安定性に持ち込むかは当事者たちの様々な事情が関係するのだろう。ただ、結婚したらこういうことがもれなくついてくると思ったほうが良い、というのはあるし、落としどころをつかんでしまえば、最初の頃の混乱はいずこへ?という場合も多い(らしい)。

なるほど、確かにそうかもしれない。


著者は結局は夫と離婚してしまうが、義実家とは仲良くて、行き来しているんだそうで理想的だ。

当事者はとても苦しかったんだろうなぁと読みながら思った。が、絶妙なバランス感覚が透けて見えるのだ。ご実家が自営業だったそうだし、ご本人もフリーランスだから、そのあたりをベースとしたバランス感覚なのかもしれない。それが本当に参考になる。



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2016年09月02日

私だけがタイヘン?〜笑う子育て生活/まついなつき/好感度抜群のエッセー集 


私だけがタイヘン?
笑う子育て生活
まついなつき
平成13年4月14日 第1刷発行
海竜社

著者はいわゆる子育てには振り回されていない。
だから、「私だけがタイヘン?」という題名は反語である。

でも、「タイヘン」の解釈にもよるかもしれない。著者は3人の男児の母親として十分(すぎる)な母性を持っている点が「タイヘン」の理由なのだ。著者を振り回しているのは、身の内からあふれ出てやまない母性である。

せっかく機会を得て趣味に没頭できるはずが、子どものことが気になってしまって、途中でやめて帰ってきてしまうとか。興味のないはずの乗り物やウルトラマン、恐竜などに付き合っているうちに、本来の自分の趣味同様に細やかにこだわって没頭している自分に気が付くとか。はてはそんな自分を十分に客観的にとらえていて、子どもにしがみつかないで済む将来の自分の将来を見据えるとか。

血のつながった異性である息子たちのそれぞれの個性を楽しみながら、自分との共通する趣味でつながる楽しみなどを享受する様子を淡々と描いている。それらが甘美であればあるほど、子離れがテーマになってくる、という意味のことが書かれている。

要するに、子離れ問題。子の読む本の大半を追いかけるように読んでいるような母親である私にとっては、どしんっっとのしかかってくるほどの重圧を覚えるテーマであるm(__)m。

マガジンハウスの「クロワッサン」や婦人生活社の「セサミ」に掲載されたものを1冊にまとめたもののようだ。随筆的に落ち着いた雰囲気で書かれていて、楽しく読めた。重いテーマへつながる日々をたんたんと描いている。もちろん、ウィットに富んでいて笑いありだが、好感度抜群の1冊だった。


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2016年09月01日

ねじまき小学生/まついなつき 小学生の育児はそれまでとは違ってくることなどとともに、、


うちの子どもが小学生になっちゃった!!
ねじまき小学生
まついなつき
2003年3月6日 初版
KANZEN


子育て(男児)との距離感や、生き様というと大げさなのだがそのようなものの空気感などに共鳴して図書館にある本は借りて読み、ない本は注文して買って読んでみている。

さて、プロローグの言葉にはのけぞるとともに、思わず深くうなづいた。

保護者とは、マネージャーの別名である!!」

中身も面白い。家庭科の指導要領への考察や、ゆとり以後のまき直し、算数や国語などについても触れていて興味深い。圧巻なのが後半の仕事と金、愛と性教育に関する考察である。

しごとなどは、たとえば絵を描いて生計を立てたいと思ったとする。すると、1日で描いたものがたとえば1万円で売れなければ生活ができないのだ、というような単純な現実を話題にしていたのだ。
厚生労働省の「平成27年度地域別最低賃金改定状況」を参考にしてみようかな。

地域によってバイト料にはばらつきがあるのだなぁ。著者は東京なので、東京を参考にしてみる。1時間907円でひたすら毎日絵を描く生活をするという設定で は、1日8時間描き続けた絵が7256円、、、なるほどなぁ。その金額で売れれば生活ができるかもしれない、という理屈だ。

バイトであれば店頭に1日中立っていて来客が1日たった1人だったとしても、働いた分をきっちりともらうことができる。が、自営(フリーランス)で絵を描いている場合はそんな保証がまったくない。

当たり前のことなんだけど。

当たり前すぎて、目から鱗状態というか。そういうことを子に話しておく、という考えすら自分の頭の中に存在していなかったことに気が付いた。うかつである。

さて、著者はご実家が自営業なんだそうだ。なので、金銭感覚がサラリーマンと違う。その違いを的確に表現してある。

世間という場所はいわゆる『金まみれ』の場所だ。その中を泳いでいこうとすれば、生きる道具として、お金を使いこなしていくというのは絶対に必要な技術だと思う。商売というのは、お金に仕えるということではなく、人(お客さん)に仕えるということだ。人(お客さん)に仕えていけば、お金はちゃんとまわってくる。〜中略〜稼いだ金を『どこで』「どのくらい』『どのように』使えば、いちばんうまく金がまわるのか、それを考えるというのが、商売ってやつだ。

なぜこのような話題が?と思ったら、ご自分のお子さんたちにお金のことを伝授する際に逡巡していた様子が描かれていた。

子も小4。お金の話を少しずつしているところだ。お金は獲物だ。お金はエネルギーだ。が、それだけでは説明として不足していると思っていたところだったのだ。


2つ目の性教育。これを学校に任せるのはきついだろう、というのが著者の結論だ。では家庭でどのように教えるのか。性の大前提である「」について、、、

わたしが教えてほしいことを、子どもにどうやって教えるというの?

ほんとうに。

男の子を見ていると、非生産的パワーに圧倒されるという。いわゆる暴力一歩手前である。お子さんによっては単刀直入に「暴力」に走るお子さんもけっこういる。迷惑だ。けど、いるのだ。

「つまり、性と暴力、これは人間だったら、誰でも興味があって抱えているものなのだから、ないものにしないで『垂れ流すと恥ずかしもの』というカテゴリーに入れてしまえばいいんじゃないの?ということに気づく。〜中略〜それがそこにあることは認めつつも、垂れ流しは許さない。具体的にいうと『科学と学習』大作戦。これがいけるのでは?と思ったのだ。

科学と学習」というのはこんな感じのことだ。質問されたことにはつまらないくらいに淡々と答える。そして、「男と女、できることは全然違うから、尊敬しあえ!というプロモーションだ。

ほんとうに。



こんな感じの厚くて読み応えのある1冊だった。

あまりに充実していて面白かったので、いままではもう過ぎたことだしと敬遠していた著者の大ヒット作「笑う出産」を読んでみよう、と思った。


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地域別最低賃金の全国一覧(厚生労働省) → こちら

         
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