2015年02月14日

短編集「古い話」の「古巣」(和泉克維)/子育て中に人生を俯瞰した瞬間

新世紀の始まる4年前。1996年の秋、42年ぶりに古巣を夫婦で訪問した際の回顧話。先日記事にした長編「メダカ館」の話に触れている箇所がある。「めだか館」にはなかった場面もたくさんあり興味深い。本書にも「めだか館」にも一切書かれていないのだが、作者は1950年から「和泉熱帯魚研究所」を経営、日本グッピー協会の元会長と「グッピーの楽しい飼い方」(和泉克維、東京書店 2002/07/30)にある。

戦時中から詩を読み、同じく1950年、35の歳の時に、22歳のときに書いた詩を詩集として出した、と「古巣」の本文にある。「ラゴスの水際でその一篇を朗読した」とある。「私は泣いた。平和というもののありがたさ。ここには恐怖というものがない。」

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戦後を芝浦で過し、1950年から1980年までの30年間を都心の目黒でグッピーとともに過ごしてから一切を引き払っている。山本周五郎の「青べか物語」の時代〜遠浅の東京湾〜から埋め立て一方の現在の東京湾への変貌を、句集「水際」に読み、小説「古巣」の最後に一部を披露している。東京湾から東京ベイへ。小説「古巣」も、最初のほうに見るカタカナはグッピーの名まえばかり。が、最後になると、現在の日本を象徴するかのようにいろんなものがカタカナで表記されている。人が80を超えたときに何を見、何を考えるのか。シンプルに何事かに収束していくことは確かなようだ。


作中に、千田氏が出版したという本が3冊ほど紹介されていた。アマゾンに、あの濃い時代を濃厚に描いているのであろうことが伺われるレビューがある。
阿呆伝 (1958年)  中古価格 ¥1,500から (2015/2/14 21:06時点) 
志賀直三(著) 新制社 (1958)
アゴ伝 (1958年) 中古価格 ¥1,749から (2015/2/14 21:11時点)
大江賢次(著)新制社 (1958)
孤独の徒歩 (1958年) 中古価格 ¥700から (2015/2/14 21:18時点) 
真船豊(著)新制社 (1958)


↓ 一つの世界を極めた迫力を感じる一冊。

グッピーの楽しい飼い方

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タグ:小説